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離したくなんてなかった。
ずっと、どんな形としてでも君の隣にいたかった。
抱きしめたいという衝動にかられながらも、それに耐える毎日が楽しくて。
何より、幸せで。


『千明がいたから、今の私なんだよ。』


そう言われた時、すべてを捨てて側にいたいと思った。
杏花がずっと笑えるように、守りたいと思った。







でも、無器用に君を傷つけるだけで。

どうして悲しいなんて言えるんだろう。
彼女が悲しい思いをしたのは、"今までの俺"のせいなのに。





ごめん。傷つけて。
ごめん。側にいたいなんて思って。



ごめん。
まだ大好きで、忘れることも離れることもできなくて。









「…誰より大切なんだ。
誰といても思い出す程、好きで。
好きすぎて、どうすることもできなくて…。

今も、側にいたいのに……」



ぎんぞーの質問の答えに出た言葉は、すべて彼女への告白だった。
閉じ込めることができなかった、"愛しい"という名の言葉だけだった。






To be continue...


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