「バカじゃねぇの…お前」 かすかに震えた健斗の声。 ………なんで…… なんであたし…抱きしめられてるの? 「……それは兄貴を殺したことにはならねぇよ…」 ………え… 「兄貴は七瀬を愛してたんだろ?だから指輪を買いに行った。兄貴があの場所に行ったのは七瀬のせいじゃない、あれは兄貴の意志だよ」 あたしを抱きしめる腕に力が入る。 嗚咽が聞こえた。 ……健斗…泣いているの…?