休み時間はあと2分。

そろそろ教室に戻ろうかな…



重い足取りでトイレから出たあたしに、突然声がかけられた。




「よかった。本当にトイレにいたんだ」



声の主は、ドアの横の壁に寄りかかってる男。



「……健斗…!?」



「トイレに行く、って嘘かと思った」


「……は?…嘘…?」



健斗は意地悪そうに笑ってあたしの顔を覗き込んだ。



「べつになんでもないよ。さっきの七瀬ちゃん、様子変だったから心配しただけ」




「………え…」

心配して追いかけて来てくれたの…?