食事、とはいっても明るく楽しいものではなく、直斗の葬儀の空気でしんみりしていた。


そんな中であたしは、“葬儀で泣き崩れていた恋人”という目で見られる。



……やっぱり来なきゃよかった。


気まずい雰囲気。

家族ではない、ただの恋人のあたしはあきらかに居場所がない。


しかも葬儀で泣き叫んだせいで有名人だ。




「………はぁ……」


あたしの溜め息に隣に座っている男がいちいち反応する。



「なに溜め息ついてんだよ」


村崎健斗。



自称、直斗の弟。