病院につくと、直斗ママがあたしに駆け寄ってきた。


「七瀬ちゃんっ!」


雨で濡れてびしょびしょのあたしに抱きついて泣き崩れる直斗のお母さん。




「……ねぇ、直斗ママ…?直斗はどこにいるの?直斗は……」



もう自分自身をごまかすことはできなかった。


直斗ママの涙は本物だ。




でも、嫌だよ…

やだ、やだ、やだ。


信じたくない。




「……直……とぉ…」



ようやく気付いた。

あたし、泣いてるんだね。


だからこんなに視界がぼんやりしてるんだ。




直斗ママを抱きしめて、あたしも泣き崩れた。