凍り付いたように固まった空気にたえられなかったのだろう、


「あの、」と、戸惑い気味な御坂さんの声が耳に入ってきた。


その声につられ顔をあげると、視界の端には未だ固まって動かない彼の背中。


それが、ついさっきの記憶に重なる。



――ぎこちない足取り。


何度も振り返り向けられる視線。


頼りない不安げな背中。


中学生カップルみたいだ、なんて一瞬でも浮かれた自分がバカみたいだ。


こうして見るとよくわかる。


そして再確認する。


これが、彼と私との距離。