モノクロ ―黒の中の白、白の中の黒―

そんな微妙な空気を察知したのか、それとも単に急いでいたのか、


一瞬私を振り返った彼が、


「じゃあ、俺らもう行くわ。」


と、声をかけると、彼女は驚いたように私たちを見比べた。


「え、2人って付き合ってるの?」


「………」


その言葉に思わず眉を寄せる。


即座に反応した私とは逆に、彼はしばらくフリーズしていた。


「水野くん?」という彼女の心配そうな声にはっとした様子の彼は、


いきなり挙動不審になって話しだした。