信号が青になる。 そんなことにも気づかず足を止めたままでいた。 そんな私に彼が振り返り、声を発しようとした瞬間、 「水野くん!?」 彼を呼ぶ誰かの声が聞こえてきて彼は再び私に背を向ける。 彼越しに見えた女の人には、見覚えがあった。 放課後の教室で私のことをお化け扱いした、あの彼女だ。 確か、彼のことを好いていた、 「…御坂。」 そう、御坂さん。