モノクロ ―黒の中の白、白の中の黒―

あの日から4年経って、この傷も事故当初に比べたら大分浅くなったけれど


それでも大きな傷がいくつか残った。


左瞼に頬。


そして、首筋。


小さな傷はファンデーションで隠せるし、さすがにもう気にならなくなった。


けれど、私の傷は変わらない。


お化けと言われたあの日から、私は一歩も動けずにいる。


誰かにまた、そう言われることを恐れている。


傷つくのを避けている。