「お姉ちゃんってホントに良治さんの事…」

「うん…大好きやった…スーパードライ買ってくる時の良治は誰よりも凛々しかった」

「…って事は?」

「聞かんでも解っとろ?あたしは、今まで通り自由にスーパードライを飲みたかった…でも良治亡き後大好きなスーパードライまでの道のりは、閉ざされたんだ。これに勝る悲しみなどあろうか?」


それを聞いた千春は半ば呆れ顔で

「良治さん、まだ死んどらんっちゃけど…」

と、のたまう。


しかし覚えとけ我が妹よ

役立たずになった瞬間、恋人という者は、果てしなく格下げされるのだ。

それを憐れむ慈悲深いあたしは、良治を遠い日の良き思い出にしてやるんだ。