すぐに大口を開けて笑うタリア。
思わず私も笑ってしまう。
彼が小さく「うるせぇ!」と叫んだのが聞こえたが、私達の笑いは止まらなかった。
◇ ◆ ◇
…そして夜も更け、真夜中。
国中が寝静まり、恐らくフランも眠った頃だろう。
俺は暫く硬い椅子に寝転がったまま天井を見つめていたが、どうにも寝れず…溜め息を零した。
一体こんな所で何やってんだ。
誤算が誤解を招いて不運が不幸を呼んだのか。
それともこれは幸運なのか。
分からないままフランと出会い、ここまでに至った。
厄介な事になったなと我ながら思う。
溜め息ばかりが漏れ、眠れる気もしない。
さて、どうしたものか…。
恐らく明日、この国一杯に自分達の事が知らされることだろう。
とんでもなく目立つ憲兵服で街を歩き、この店の事を聞いて回ったのだ。
バレるのも時間の問題。
だがそれは分かりきっていた事だ。
今更後悔する気など到底無い。
しかし、少々困った事があった。
「問題はフランだな…。」
そう、フラン。
あの訳あり女王と出会い…この国の事情を知った。
……そう、それこそが計算外だったのだ。
それにフランはあまりにも純粋すぎる。
世の中には不純な物ばかりが漂っているというのに。
「…性質(タチ)悪…。」
鼻を鳴らし狭いソファーの上で寝返りをうったその時だった。
「性質が悪いのはどっちの方だい。」
静寂に包まれた部屋の中に響く、凛とした声。
思わず体を起こすと、視線の先にはタリアの姿があった。

