そんな彼女を見るなり、口をパクパクさせるアンジェリカ。
そして指を指すとこういった。
「タリア、お姉ちゃん…。」
―…お、
お姉さまですとぉぉぉおおぉぉ!?
「え!?ちょっ、編集長、この方がお姉さま!?お姉さま!?」
クソ姉御じゃないですかい!
てか酒臭ッ!
タバコ臭ッ!
「…やっと鎖国から開放されたよ…って、ん?なんだいこの坊主は。…新入り?」
だがそうこうしているうちに、何故か話の対象がウィリーに行ってしまって。
まあ、当たり前といえば当たり前なのだ、が。
「あ、初めまして…!こちらで勤めさせて頂いてます、ウィリー・ジャクソンと申します…!」
どうやら彼のカチコチな挨拶がツボに入ったらしい。
アンジェリカの姉、タリアは大きな口を開けて笑うと…そんなウィリーの肩をビシバシ叩いた。
「ハッハッハ!いい男じゃないか!…あたしはタリア・ヴァレンティン。アンジェリカの実の姉だよ。」
宜しくねと手を差し出され、握り返した途端、骨が砕けそうになったのはここだけの話。
「さて、写真はここに余る程あるから、ラジオに負けないくらいの新聞を作ろうかねぇ。」
そして、日常は日常をまた始める。
「しっかり働きな!」
「…、ハイ!」
「お姉ちゃん、酒臭いわよ!」
でもそれは世界が変わった証。