――………

そして王の部屋から追い出された俺は、オーウェンに牢へと連れて行かれる最中だった。


「……。」


道中、どうしようもない無言が続く。

だが。


「…すみません。」


それを破ったのはオーウェンの弱い声だった。

彼は俺の手に付いた手枷を引きながら…俯き口を開く。


「僕のせいだ。」


何度もそればかりを呟いては、歯を食いしばるオーウェン。

後悔してくれているのは分かるが、


「…過ぎた事を悔やんでも、どうしようもねぇだろうが。」


結局この結論に至るのが当たり前で。

俺は小さく息を吐くと、口を開いた。


「それに俺はわざと巻き込まれてやったんだ。…アンタに非は無い。」


「……それでも、僕が貴方にした事は…とんでもない大罪だ。」


嗚呼…キリがない。

鬱憤とした空気も晴れない。


いい加減うんざりしてきた俺は大きく唸ると、強引に手枷の鎖を引き寄せてオーウェンと向き直った。


「じゃあお前に命令してやる。」


そしてそういえば、「は?」と驚いた表情を彼は見せて。

周りに憲兵達がいるのにもかかわらず、俺はオーウェンにこう言った。


「…海が見える裏門を開けておけ。」


「…裏門…?」