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エスタンシア王国、エステリア城内国王の部屋。
「女王は?」
「…殺したって言ってるだろ。」
「ふむ、確かにこの“王族の証”は本物には違いないようだ。」
そう言いながら王族の証を日の光に照らすラザレスは、かなり上機嫌のようで。
…虫のいい奴。
と小さくため息を吐き…俺はローブの隙間から顔を覗かせた。
だがまぁ、このラザレスが上機嫌なのも無理は無い。
今まで欲しくて欲しくて仕方が無かったものがスルリと手に入り、
俺と言う邪魔者が女王という邪魔者を殺したと言っているのだから。
そして必然的に自分は王座に付き、この国を支配できる。
『この国も権力も、全て私のものだハッハッハ!』
―…だなんて思ってるに違いない。
無駄に想像力の良い脳内を恨みながら、俺はもう一度息を吐いた。
するとその時、ラザレスが突然こちらにやって来て座り込む俺の目の前にやってくる。
そして
「…死刑は、明後日の昼だ。」
唐突に告げられたのは死の宣告だった。
だが俺は全く動じず、「へぇ」と言うだけで。
というか今更いつ死のうが変わらないと思っていた。
それに…。
「死ぬのは俺じゃないかも知れない、し?」
ってな。

