「…何?怪我?…毒にやられたの?」


隣に座るジィンが心配そうに私の手首を覗くが、


「ううん、ひねっただけ。」


それをを知るなり、


「なんだ、ドジだな。」


笑いながら私の手首に薬草を塗って…素早く包帯を巻いてくれた。


「これ、アーニャに貰ったやつなんだけどね。」


そう言って私を見つめるジィンは別れた時と何も変わらず。

彼女の笑顔を見た瞬間、緊張の糸が解けたのか…


「…ふぇっ」


ぽろぽろと涙が零れだした。


「っだあ、もう…泣くなってー…。」


そんな事を言いながらもよしよしと優しく背中をさすってくれるジィン。


「年下に慰められてどうすんだよー。なあ?」


「ひっ、ひっく…ご、ごめんなさい、」


「ごめんなさいって、アタシ怒ってないし…」


泣き虫だなフランはと言いながら彼女は私に問いかけて来た。


「一体こんな所に一人で…どうしたんだよ、ハイネに浮気でもされたか?」


…だが、勿論そんな事ではない。
私が首を横に振ると、


「だよね。」


なんて良いながら空を見上げるジィン。


「…でも何かあったんだろ?言ってみろよ…。」