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早朝の爆発騒動で、ざわつく海賊のアジトから少し離れた森の中。
「……、」
遠くから、黒い馬が駆けて来るのが分かった。
そしてその背に乗るのは、長い黒髪に自分と同じ金の瞳を持つ男。
オーウェンはそんな男の姿を睨むように見つめると、その名を呼んだ。
「…、父上。」
「…女王はどこだ。」
彼はオーウェンの隣に馬を止め、辺りを見回しながら問いかける。
「………。」
だがオーウェンは父を睨んだまま、頑なに口を開かなくて。
「女王は何処だと言っている…!」
それに対しラザレスは怒りをぶつけるが、
「ラ、ラザレス様…、女王陛下は…死刑囚と共に何処かへ…」
オーウェンの身が危ないと察知したフレッドが、代わりに口を開いた。
「…何?」
「わ、我々も捜索中であります故…、」
庇うフレッドを見ながら怪訝そうに眉をひそめるラザレスは、オーウェン視線を向けると小さく唾を吐き、悪態をつく。
「この、ガラクタが。」
刹那、震える腕と…俯く顔。
馬に乗り、先に森の中を行く父の姿を見て、
「…、っ」
恨みに任せ剣に伸ばしたその手。
…だが。

