花嫁と咎人


  ◆ ◇ ◆


「…ラザレス様は4番街に入られたそうです。」


そう言って2日前、偵察に行ったフレッドが帰ってきた。


「でもまあ徒歩ですから、聞いた話ですけど。」


そんな彼の姿を見つめながら、オーウェンは小石を拾っては投げ、剣を振っては飛ばすを繰り返すばかり。


「…って、凄いクマじゃないですか…」


だが、彼は一睡もしていないらしく。
半分閉じかけた目の下には大きなクマがあった。

どうやらあの睡眠薬入りの香水を付けていない様だ。

近寄っても自分が眠たくならない。


「…あの…オーウェン様」


「なんだ。」


「眠られてないですよね…」


「ああ。」


「何もお食べになって無いのですか?」


「ああ。」


「…死んじゃいますよ…。」


「ああ。」


見事に単調な会話が続く中、フレッドは小さくため息を吐いて…倒木に腰を下ろした。

その香水を止めろとあの方に言われたせいなのか、はたまた大きな鷲を見逃さないためなのか…
本当に不器用な人だと彼はつくづく思う。

するとその時、ぴたりと彼の手が止まり…


「…いや、待て。」


その視線はフレッドに。