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「…ラザレス様は4番街に入られたそうです。」
そう言って2日前、偵察に行ったフレッドが帰ってきた。
「でもまあ徒歩ですから、聞いた話ですけど。」
そんな彼の姿を見つめながら、オーウェンは小石を拾っては投げ、剣を振っては飛ばすを繰り返すばかり。
「…って、凄いクマじゃないですか…」
だが、彼は一睡もしていないらしく。
半分閉じかけた目の下には大きなクマがあった。
どうやらあの睡眠薬入りの香水を付けていない様だ。
近寄っても自分が眠たくならない。
「…あの…オーウェン様」
「なんだ。」
「眠られてないですよね…」
「ああ。」
「何もお食べになって無いのですか?」
「ああ。」
「…死んじゃいますよ…。」
「ああ。」
見事に単調な会話が続く中、フレッドは小さくため息を吐いて…倒木に腰を下ろした。
その香水を止めろとあの方に言われたせいなのか、はたまた大きな鷲を見逃さないためなのか…
本当に不器用な人だと彼はつくづく思う。
するとその時、ぴたりと彼の手が止まり…
「…いや、待て。」
その視線はフレッドに。

