――――…
―――…
――…
「、っは!」
急激に悪夢から引き戻された俺は、目を大きく開いた。
暫く息を整えた後…キョロキョロと目を動かす。
そこは薄暗く、肌寒かった。
何か一定のリズムを刻む電子音が聞こえるが、それが何かも分からず。
ただぼやけた視界の中では消毒のような臭いだけが鼻をつくばかりで。
「……う、」
痺れる手を動かしたとき、手に触れた冷たい石畳の感触に、
ようやく寝かされているのだと分かった。
そして視線を横に向けたとき見えたのは鉄格子。
さらに自分の右腕には管が通っていて、管を辿って上を見れば液体の入った袋があった。
――…点、滴?
などと考えつつも俺はそれを容赦なく引っこ抜いて、立ち上がろうとするが。
悔しい事にまるで力が入らなくて。
そのままもう一度床に倒れこんだ。
頭がボーッとしている。
まるで貧血を起こしているようだ。
気持ちが悪い。
眩暈がする。
点滴の管が引っ張られて、液体を吊り下げていた鉄の棒が…音を立てて倒れた。
ぐるぐると回る視界。
…毒なんて、飲んでないのに。
床にひれ伏したまま…小さく咳をする。
そして途方も無く、辛くなった。
夢のせいだろうか。
違うのか。
色んな物が重くのしかかって来て。
息苦しくなる。

