「ど、どうして…!
何故あなたがここに居るのです、シュヴァンネンベルク公…!」
思わず声を張り上げる私を見て、彼は大きく笑い声を上げた。
「ハッハッハ!…どうして?…全く、これだから貴女は。純粋過ぎるのも困ったものですな。」
何が可笑しいの?
一体何がどうなって…。
混乱する私を置きざりに、ラザレスは口を開く。
「何を隠そう…貴女達を待ちぶせていたのですよ。ある重要な件で。」
「…重要な、件?」
「ええ、まあ。話せば長くなってしまうのですが…。簡潔に言いますと…。」
そして、独特な微笑を浮かべたまま、彼は私を上から下まで舐め回すように見つめると、
指を突きつけ、払いのけるように笑った。
「“邪魔者の排除”、と言ったところでしょうかねぇ。…つまり貴女、女王はもう用無し、という事ですよ。」
「…わ、たしが…用無し…?」
勿論意味が理解できず、声は震え、鼓動は早まり、苦しくなる呼吸。
けれどラザレスは容赦無く私を追い詰め、離さない。
「左様!…それにしても今までよく気がつきませんでしたねぇ…この陰謀に。」
震える全身、歪む表情。
最悪の真実が音楽を奏でるように、彼の口から流れ、流れて。
「…疑問に思いになられませんでしたか?立て続けに国王も、王妃も亡くなり…幼い貴女だけが残るなど。」
理由を知り、理解した時。
もう声すら出なかった。
やっとサミュエルの言っていたことが分かった気がした。
……彼を止めることなど誰にも出来ないと。

