やはりこいつは侮れない。
何も考えてないようなフリをして、全部理解してやがる。
でも、きっとそんな彼だからこそ、何度友情が途切れてもやって来れたんだと思う。
「どう考えてもその線しかない。何度考えてもきっとそうだって、嘘じゃないんだって…嫌でも気づいてしまう自分が憎い。」
「………。」
「…頼みたい事がある。」
「うん…いいよ。」
間を置く事無く…すぐに頷いてくれるオズ。
そんな彼を見ながら…俺は言った。
「証拠を渡したら、すぐにフィレンツィリアに行って欲しい。どうせこんな国…簡単に出られるだろ。」
オズはしゃがみこみながら、まぁね。と頷くと、
「でも…あと20日と数日でしょ…。うーん、海が荒れなければいいけれどね。…ってかオレめっちゃ重要な役じゃん。やだなー。」
笑いながら、でも真剣に…彼は小さく息をついた。
「…頑張るよ。そうしないと、もうオレ、お前に二度と会えなくなる様な気がするから。」
「まあ、間に合わなかったら嫌でもそうなるな。…でも、もしそうなったら俺、多分先にロナの所に行くよ。」
ひひっと笑う俺に対して「笑えない冗談はよせよ」とオズは笑う。
「その写真、フランに見せるなよ。この国にまだ写真は無いから。」
「分かってるよーだ。」
いーと歯を剥き出しにするオズをバルコニーに残したまま、俺は家の中に入って行った。
1階に行くと、一番初めに汚れたテーブルと床、二番目に酔いつぶれた人々。
三番目にしてようやく椅子にもたれかかる様にいして眠っているフランの姿が目に入った。

