花嫁と咎人


だが俺の内心はそんな賑やかなものでは無かった。

ただひたすら心配事が増えて、何度も頭の中でパズルを組み立てては、分解する。

右手に持っているのが七面鳥の足じゃなく万年筆で、左手のワインの瓶が紙だったら、ひたすらそこに数式を書いているだろうと俺は思った。

それだけ膨大な考え事を頭の中でしているのだ。
楽しい気分なんかにはなれないし、ましてやもっと心配になる。


こんな所で捕まったらアホみたいだ。
もう日にちも少ないのに。


なんて陰気臭そうにワインを飲んでいたら、突然向こうから千鳥足のフランがやってきて。


「ハーイネしゃーん。…ひっく。」


んふふと笑いながら俺に抱きついてくるフラン。

うっわ、酒臭!
何本ワイン飲んだんだよ…!

真っ赤な顔をして、ひたすら笑い続けるフランを引き剥がし、


「水、水を飲め!」


そう言うが…


「みる?みるなんれぇ、にみまへんよぉ(水?みずなんて、飲みませんよ)」


と言って再び俺に抱きつこうとしてくる。

…駄目だ、こいつ。
完全にやられてる…!


「ねーぇ、ろぉしてハイネしゃんは、一人でいるんれすか?」


「はあ!?…ちょ、そりゃ考え事してるからだろうが…!」


「かんがえごとぉ?そーんなのやめて…一緒に楽しみまひょうよハイネしゃん」


ってかなんで敬語なんだよ、つかハイネしゃんてなんだ!


強引にグイグイ俺の手を引っ張るフラン。


「おい、だから、やめろって……!、」



だが、事件は起きてしまった。