「そんなに気になるんだったら明日まで待つといい。実は明日、丁度水が持ち寄られる日なんだ。まぁ…届けに来るのは“悪魔の子”なんだけどな。」


ガッハッハ!と笑い、「今日は家に泊まってけ」と言うジャック。


「え!マジすかー!お世話になりまーす」


対して能天気に笑うオズ。


「……ハイネ、」


フランが見つめる中、俺は一人沈黙を続けた。



願わくば。


ジャックの言葉が偽りであらん事を。



  ◆ ◇ ◆


「さーあ!長旅で疲れただろう?たんとお食べよ!」


そう言って、ジャックの妻…リサは大きな鶏肉の丸焼きを出してきた。
勿論その他のおかずも沢山並べられて。


「うひゃー!いっただきまーす!」


オズがナイフでぐさりとそれを刺した。


―…時は夜。

何故か彼の家に泊まり、さらに夕食までご馳走になる事になった俺達。

ジャックに酒を勧められ「の、飲めません!」と手で押し返すフランに、変な踊りと歌で場の雰囲気を盛り上げるオズ。

どうやらその騒ぎは町中まで広がり、大きな宴会のようになってしまった。


「目立つ行動はやめろって言ったのに…」


俺は一人部屋の隅の椅子に座りながら、七面鳥の足にかぶりつく。
ついでに赤ワインをグラスじゃなく瓶ごと左手に持ったまま。

わいわいがやがや、演奏団まで来て…大層なこったと俺はひたすら仏頂面を決め込んだ。

老人、大人…子どもまで。


楽しそうに騒ぐ住民達。