花嫁と咎人


「ううん、平気よ。寧ろ、オズらしいわ。」


失礼かと思いつつも、本音が溢れる。

すると彼はハハッと笑って、


「それ、ハインツにも言われた。」


と頭をかいた。


「オレ、一応こう見えても…弓には自信あってさ。昔は、この弓で大切な人を守るんだって決めてたんだ。でも…」


だが、そう言った途端に曇るオズの表情。

どうしたのだろう。
私は心配になって首を傾げる。

すると彼は、何度か自分に何かを言い聞かせるように頷いて。
再び口を開いた。


「守りきれなかった事があって。寧ろ…守るどころか、オレが…。」


「………。」


「オレが大切な人をこの弓で…ね。」


刹那、彼の俯いた顔が少し歪む。
それと同時に私の心もチクリと痛んだ。


「それからきっと自暴自棄になっちゃったんだろうね。お陰様で盲信的に強さを求めて裏の世界にまっしぐら。…んで、今に至るの。」


彼は今…嫌な事を思い出して、凄く辛いに決まっている。
それなのに…


「詳しくは言えないけど、ほら…オレって、馬鹿だから。」


痛む自分の心を無視して、笑ってみせて。

…どうして笑うの?
ちっとも笑えないわ。

私はそんな彼を見るのが辛くて…


「…オズ。無理して笑わなくてもいいのよ。」


きっと、こんな言葉慰めにもならないけれど。