「もーさ、フランちゃん最高!」
「失礼ね!」
「いい加減お前ら黙れ!」
逆に私達が大道芸人に見えてしまったかも。
そんなこんなを繰り返しているうちに、いつしか私達はアリエスタの入り口まで来ていた。
陽気な音楽が流れて、沢山の人で賑わう都市。
沢山の商人が物資を売り…大道芸人が芸を見せ、今の国の状況を感じさせない程…活気に満ち溢れていた。
「とりあえず、俺とフランで必要な物を集めてくる。オズはその間王国騎士団が来てないか、色々見張っていてくれ。」
アリエスタに入るなり、そう言うハイネ。
それに対して「了解!」と軽快に返事をし、人混みに消えていくオズの姿を見送った後、私達はひとまず店を回る事にした。
「凄い!沢山の食べ物があるわ。これは何かしら、あれは?」
「これはハン、あれはフィルル。」
何でもかんでも興味を持つ私と、面倒くさそうに…でも丁寧に教えてくれるハイネ。
所々で足を止め店を選び、適当に要りそうな物を掴むと、さも当たり前の様に彼は値切っていく。
「おい、オッサン、これ2個で100レクスにまけてくれよ。」
「………。」
その技術は恐ろしいほど巧みで、どれだけ得をしたのか聞くまでも無く、彼は満足げに笑みを浮かべていた。
暫くして日差しも強くなった頃、私達は近くの飲食店で昼食を取る事に。
適当な屋台で、ゾリアと言うお米と野菜が独特な調味料で炒めてある食べ物を買って、近くの噴水に腰掛ける。
だが、ゾリアにはスプーンもフォークもついていなかった。
一体どうやって食べるのかしら。

