思わず表情が曇る。
ハイネの事。
悔しいけれど、私は彼の事を未だに良く知らない。
いつかきっと話してくれる。
そう信じて待っていたけれど…。
「…多分、何も聞いてないと思います。」
それが現状で。
一体彼がどこから来たのか、一体何者なのか、これからどうするのか。
何も知らない私。
すると、その答えを聞いてオズは「やっぱりね…。」と苦笑いをした。
「アイツ、何でも隠したがるんだよ。昔っから。」
そして溜め息。
「フランちゃんも、アイツと一緒にいて分かっただろ?すんげー神経質なくせに、頑固で意地っ張りなとこ。」
それに対して、私は無言で頷いた。
まだハイネと出会ってほんの数日しか経っていないけれど、彼の性格は随分と把握してるつもり。
時たま優しくなったりするけれど、基本そうなのだろう。
「でもさ、本当は誰よりも脆いんだよ、あいつ。まぁ、昔から色々経験しすぎてるっていうのもあるけど…。だからいつも必死にそう見せてるだけなんだ。…わざと意地張って。」
そう言って笑うオズは、何処か悲しそうで。
同時に苛立っているようにも見えた。
あーもう!と頭をかく彼の姿は、なんだか寂しそう。
一体どうしたのだろう。
私が首を傾げていたとき、彼は突然小さく呟いた。
「ハインツさ…、アイツ、大切な人を捜してるんだ。」
「…え?」
「どこの国に居るのかも知らない、ただ一人の女の人を…命掛けて捜してんだよ。その為に、危険を承知の上でこの国に来たんだ。」
刹那、私は耳を疑った。

