花嫁と咎人


  ◆ ◇ ◆

「あ、おはようフランちゃん。」


私が起きてきた時、一階にはオズの姿しかなくて。
彼はコーヒーを飲みながら、椅子に座っていた。


「おはようございます。あ、あの、ハイネは…?」


思わず問いかけると、オズは「んー?」と苦笑いして、


「…まだ寝てる、かな。」


と私に告げる。

あら、まだ起きていないの…?
こんなに雨の音でうるさいのに。

そう、昨日からの雨は次第に激しさを増し、今も降り続いていた。
その雨音がうるさくて目が覚めたのだけど…

ハイネは気にならないのだろうか。

…神経質だと思っていたけれど、案外ねぼすけさんなのね。

声には出さなかったものの、心の中で思ってしまう私。

するとオズがそっと私に紅茶の注がれたティーカップを差しだしてきた。


「飲む?まあ、安物だから…お姫様の口には合わないかもだけど。」


「…あ、ありがとうございます。」


私は促されるまま椅子に腰掛け一口飲む。

とても上品でおいしい。
…でも、サミュエルの紅茶程ではないけれど…。

ほんの少し、昔の事を思い出してしまう。

その時、突然彼が私を見た。


「ねぇ、フランちゃんってさ。」


「?…はい。」


そして。


「ハインツから、なんか聞いた?」