花嫁と咎人


目を閉じ、息を吐く。

熱が上がるような感覚。
体のだるさが増し、寒気、動機が激しくなる。

久々にこの量は、流石に無理があったかな。

冷や汗を拭うように額に手を当てていると、帰ってきたオズが俺の異変に気が付いたのか、不意に声を投げかけて。


「…ハインツ、お前まさか、まだアレ飲んでるの…。」


その表情は少し怒っているようにも見えたが、俺は何も言わず奥の部屋に向かう。


「ホント、馬鹿なの?どんだけ自分の体痛めつければ気が済むんだよ。」


そんな俺の肩を…オズが足早に追いかけ、掴んできた。


「…離せよ。」


「い…いやだ!」


「離せって…!」


いくら手を振りほどこうとしても、中々離してくれない。

ぶつかる視線と視線。
オズの気持ちが分からないでもない、けれど。


「…オズ、」


「………。」


「知ってるだろ、こうでもしなきゃ…とっくの昔に俺は殺されてる。」


どうやら俺が放ったこの言葉が効いたらしい。

オズは暫く黙り込んだ後、渋々「…わかったよ。」と言って手を離す。


「部屋、借りるよ。」


俺は彼の肩に手を置き、足早に奥の部屋へと向かう。

その時、オズが「フランちゃんには言ってあんのかよ…」と呟いたが、聞こえない事にしよう。

フランには関係の無い事だ。
知らなくていい。

あいつは自分の事だけを気にしていれば良い。





俺の事なんて、何も知らなくていいんだ。