人目を避けるように、足を速めるハイネ。
「止まってくれよハインツ!弁解ぐらいさせてくれたっていいじゃんか!」
…無視。
「だからさ、オレすっげぇお金に困ってたの!だから仕方なく目ぇ付けちゃったワケ!」
無視、さらに無視。
「あーもー許してよ…オレ知らなかったんだもん、」
勿論、ハイネは無視を決め込み―…
「…その子がお前の女だなんて。」
だが、その言葉を聞いた瞬間、ハイネは勢い良く振り返ると…力強く男の胸倉を掴んだ。
「…違ぇよ…!こいつと俺はそういう関係じゃねぇ…!」
そのとんでもない気迫に、胸倉を掴まれたまま引きつった笑顔を浮かべる男。
「え、え…そ、そうなの…?じゃあ何…愛妾…?」
「アンタと一緒にすんな!この強姦男が!」
罵声に罵声を重ね、ハイネは何度も怒鳴り散らかす。
私はその光景をただぼーっと見つめている事しか出来なくて。
唯一分かっているのは…私はあの男の人に襲われて、その男の人はハイネの知り合いで…今二人は凄い口論をしている事。
…要するに仲が悪いのかしら?
「ご…強姦男?!…酷い!オレそんなに酷い事しないのに…!」
「すっとぼけんな!今さっき、こいつに手ぇ出そうとしてただろうが!何が金の為だ!無理やり服脱がそうとして…!
これのどこが強姦じゃねぇんだよこの人間のクズ!」
物凄い勢いで男を罵倒するハイネ。
…沢山の汚い言葉が飛び交って…ああ、一体どうなってるの…。

