花嫁と咎人


知れば知るほど、罪悪感で一杯になって…
申し訳なさでまた涙が溢れる。


「…本当にごめんなさい、ハイネ…。」


するとその時だった。


「ったぁ…、んだよもう、」


ふいに地面が鳴り、私たちは振り返る。
視線の先、そう…そこにいたのはハイネに殴られて気絶していたはずの例の男。


「、!」


しかし、彼はどうしたのか…
ハイネを見るなり急に表情を強張らせ、徐に指を差すと…おどおどとした口調で言った。


「な、なんでいんの…ハインツ…。」


すると、それを聞いたハイネの表情も一変し、一瞬目を丸くしたのち、まるで鬼のような面相で男を睨んだ。


「…お前こそ…何でここにいるんだ…オズ!」


そしてそう言うが否や、ハイネは腰からサーベルを抜き取り…オズと呼んだその男に切りかかったのだ。

突然の事に戸惑い、混乱する私。

男は悲鳴を上げながらも、必死にハイネの斬撃を避ける。


「ま、待って!違う!」


「黙れ!…お前の話なんて聞きたくもない!」


「だーっ!だから!仕方なかったんだっての!」


…暫くしてハイネがサーベルを下ろした時、男は安堵のため息をつき、力なくその場にしゃがみ込んだ。


「この場所じゃロクに金も入んないしさあ、盗んでもすぐ無くなっちゃうし…余所者のオレが目立つことすれば確実にお縄じゃん?
だからこうするしかなったんだってば。お前なら分かってくれんだろ?な?」


両手をこすり合わせ、ペロッと舌を出す男だったが、
ハイネは無言で私の手を強く引くなり…男を振り返ることなく裏路地を後にする。


「―っておい!無視かよ!」


だけど男はしつこくその後を追ってきて。