寒い。
ステージ裏は楽器がとても冷えるから苦手だ。
チューニングはまぁまぁ。
舞台裏でスタンバイしてる間、みんな楽器に息を吹き込んで準備をしている。
さすがにみんなの表情も固いな。
ヤバイ、心臓が早鐘を打つ。
かなり緊張してんな…指動くかな?
手を握ったり開いたりしながら、深呼吸しながら、私はチューニング室に入る前の会話を思い出していた。
「堂々と吹いてね!」
「うん、頑張る」
「失敗したからって顔に出すとDVDに残っちゃうかもだし!」
「うわ、それ絶対やだ…あ、行かなきゃ」
「逃さず聞いてるから。私の分とか考えず自分で楽しく吹けば絶対うまくいくよ」
うん、頑張るから。
堂々と!
みんなと視線を交わしてから、足を進めた。
.


