「オレ、片岡和人。あんたは?」

「私は、崎山涼子。リョーコでいいよ」

「ホントは、男が良いんだけど、もう時間ないし、あんたさえ良ければ決めたいんだけど」


ホントは、男が良い・・・って、もしかしてこのヒト、ホモ??とか思ったけど、言葉を飲み込んで、「宜しくお願いします」と頭を下げた。


「じゃ、同居に際しての条件は、干渉なし、セックスなし、でどう?」

「お・・・・・・、おっけぇ」

なんて露骨に言うヒトなんだろうと、ドキリとした。


でも、彼が言うとサラっと自然体で聞き流せるのが不思議だ。



翌日、彼も私もマンションのリビングを通って振り分け式の右と左に引っ越してきた。

彼は手伝いと言うことで、1人女の子を連れてきた。

「こいつ、ハルナ。まぁ、オレの妹みたいなもん・・・かな?」


片岡和人の幼馴染で、近くの女子高に通う1年生だという彼女はちょこりと挨拶をした。


流れるようなさらさらとした栗色の髪に、くりくりとした可愛い目をした女の子。


つまり、私とは真逆タイプ。


男の子が真っ先に好きになるタイプだ。


彼もハルナちゃんが手伝ってちょこまかと動く様子を愛おしそうに見つめてた。


なぁ~んだ。

そう言うことか。


いるんじゃん。カノジョ。



一目惚れから2日目で失恋なんて……。