「お前とはさ、何年経っても笑って会える同級生でいたいよ。だから、オレに手を出させないでくれよ」


彼は机の上のバッグを肩に掛けると、「あのさ、ファーストキスくらい、いつか出会う両想いのヤツのためにとっておけよ」と言って部屋を出た。


何もかもお見通しなんだ・・・。

私が処女だってことも、
っつーか、ファーストキスすらもまだだってことも。

とっくにバレバレだったんだ。

真っ赤になった頬を押さえて、彼のベッドに倒れ込んだ。

チックショー!!!

……でも、それが分かるくらいには私のこと、ちょっとは見てくれていたんだ。


たった今まで彼が寝ていたベッド……

私はその布団を抱き締めて、彼の温もりと優しさに胸がキュンとなった。


プライドも何もかも捨てて、子供っぽいキスのねだり方をした。

だけど、私の精一杯で頑張ったんだ。



もういいや!

顔良し!

スタイル良し!

頭も良し……(多分)

こんなイイ女、振っちゃうあいつの目が悪いんだ。

あんなやつ、こっちから振ってやる!(実際は振られたけど)


キスが何だ!

エッチが何だ!

片岡和人が何だ!!


自分の恋の痛手くらい自分の力で蘇生してみせるわよ!


私は机の上にある高校の卒業式の集合写真の中で微笑む彼に、
「いい女、ゲットし損ねたんだぞ!タァーコ!!」
と呟くと、指で弾き、そっと最初で最後のキスをした。


おしまい☆


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『☆ファーストキス☆』シリーズ第2弾

ご愛読、有り難うございました。

『☆ファースト・キス☆恋に臆病な女の子』も連載開始。

良かったら、長編小説『夢のあとさき』も連載中です。

読んでやって下さい。

ペコリ(._.)

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