放課後。




愛希星はもういた。


「みたの???」

愛希星が言った。

「うん。」

なにをって言いたかったけど言えなかった。

「そっか。」

「うん。」

しばらくの沈黙。




破ったのはあたしだった。

「なんであんな事するの???あたしなんかした???」

「してないよ。ただあんたがうらやましかっただけ。」

「あたしがうらやましいってなんで???」

「伊藤君よッ!愛希星、伊藤君好きなの。」

嘘ッ。

「でも愛希星には外人の彼氏がいるぢゃん。」

「あんなのとっくに別れたわよ。伊藤君に一目惚れしちゃったの。」

嘘。嘘。嘘。

ただそう思うしかなかった。

「だからアンタみたいなアホと友達になった。」

「愛希星酷いよ。あたし信じてたのに。」

「は。信じたのはアンタの勝手でしょ???愛希星だって信じてたもん。けど裏切られた。」

は。あたしの堪忍袋の緒が切れた。

「確かに信じたのはあたしだけかもしんない。裏切った???は。愛希星が雄也の事好きなのしんなかったし。裏切ったとか勝手にほざきやかってふざけんなよ。」

ちょっと強く言い過ぎたかな???

「……………」

愛希星が黙り泣いた。


泣けば許せる訳ない。