「ところで春恵。生徒との物の貸し借りとは頂けないな」


「あ?」


「お前、まさかいかがわしいものじゃないだろうな?相手は未成年だぞ」





「………。」






こいつ…どこまで俺を罵れば気が済むんだ…?








「んなわけあるかよ。英書だよ、英書」


「英書?」


「そ。どうしても英語が苦手だって相談された時に薦めたんだよ」


「真面目だな」


「だよな。受験控えてるっていってもまだ4月だし。遊んでるヤツの方が多い…」







…って、あれ?


そういえば俺…あの本持って来てた気が…。









「何だ?いきなり真面目な顔して」







確か職員室の机の上に置いたような…。






「わりっ!俺先職員室戻るわ!」





俺はそう晶に告げると、急ぎ足で職員室に向かった。







「…何あいつあんなに急いでんだ?」