「この前言ってた本持ってきてくれた?」


「…え?本?」


「…やっぱり忘れてる。何度も言ったじゃん」


「…そうだっけ?」


「そうだよ!もうホントぬけてるんだから」






…前言撤回。


やっぱり他の生徒と違っていませんでした。







「悪い悪い。明日持ってくるよ」


「ホントに?」






…何だよ。


その信じられないっていうような目は!?








「ホントホント!忘れずに持ってくるって!」


「絶対に?」





…コイツまだ信じてないな。






「絶対に絶対に!ちゃんと持ってくるからさ」


「…まぁいいや」





…何だよ。その諦めた感じ。







「約束だよ」



一方的にそれだけ告げると、樹は背を向けて去って行った。








…何かさ。


ホントにどいつもこいつも俺に対する態度酷くないか!?