キッパリ言い切ると椿くんは口をあんぐり開けてありえないって顔をして床に座り込んだ。

…そこまで落ち込まれると思わなかったんだけど。さすがに触るのも駄目はあたし的に厳しかったかも。


だってたまに椿くんから頭をクシャクシャに撫でられるのは好きだもの。

もし本当にここまできても告白してくれなかってら触られないことは一大事だわ。


「…………相田」

「は、はいっ」


突然の呼びかけにビックリして声を引きつってしまったけど、見つめた先の椿くんは眉を寄せて、でも頬と耳を赤く染めてあたしを見ていた。


「…相田は意地悪だな」

「…だって、直接聞きたいよ」

「でもわかってるだろ?」

「…椿くんだってわかるでしょ?」

「だからーー…」

「聞きたい」


椿くんの前に座り込んで、椿くんの大きくて少し骨張った手を小さく握りしめた。

すると、椿くんも不器用そうにあたしのを握り返した。

椿くんの顔はまだ赤いまま。


「椿くんの声で、ちゃんと聞かせてほしい」


ねぇ、椿くん。
あたしがこの日をどれだけ待ち望んだか知ってる?

お互いの名前に花という共通点があっただけで運命の相手なんだと自惚れたほどに好きになったあたしの気持ちは誰にだって負けてないよ。


あたし、椿くんが大好きで大好きで、仕方ないんだよ。