「そう…悠は、それでいいの?」
だってそうだろ?
母親は違っても、父親が一緒…。
それだけで、僕達は付き合ってはいけない仲になってしまったんだ。
「…辛いけど。俺が沙雪の兄貴なんだったら、俺が兄貴として沙雪を守っていかないと…」
夏音は僕の言葉を聞いて、こう言った。
「そんなの、悠が決める事じゃないでしょ?…あたしは、悠のことが好きだけど…沙雪とは親友なの!沙雪が辛くなることなら…」
「夏音?だって、今別れないと、後々沙雪が辛くなる。」
「でも、」
沙雪が将来、幸せになってくれたら…
今、二人とも傷ついても、多分、ちゃんと僕らは兄妹になれる。
「沙雪が将来、幸せになれればいい。今辛くても、俺達はきっと大丈夫だ。」
「…悠?おかしいよ…沙雪の幸せは、沙雪が決めるんだよ?それは…悠と一緒に居る事かもしれないんだよ?」
「そんなの…分かってる。分かってるよ。」
「だったら…!!」
「ごめん夏音。じゃあ…」
「悠!あたしだって、悠と沙雪の事考えてるんだからね!那智だって…」
夏音はもう周りの目も気にせずに大きな声で言った。
「那智…も?」


