『アイシテル』を忘れない。



もうそろそろ30分ぐらいだろう、と起き上がると、

携帯は11時30分を表示していた。

どうやら寝てしまっていたらしい。
あんなに冷たかったのを乗せていたのに、もうタオルは湿ってすらいない。

「…11時30分??」

僕が家を出るまで、あと15分だ。
どうやら寝てしまっていたため、ご飯も食べれない。



着替えた僕は、ワックスをつけようと洗面所に向かった。

鏡を見た僕は少し感動。
目の腫れは完全にひいていた。

洗面所においてる時計が指しているのは、40分。

ワックスをなるべく早くつけた僕は、財布と携帯を持って家をでた。


小走りでファミレスに着いた時には夏音はもうすでに来ていた。

「ごめん!」
「んーん、大丈夫。」

夏音との待ち合わせで、沙雪と待ち合わせをしてた時の事を思い出した。

「…悠。」
「ん…?」

夏音の話を聞くのも、少し怖かった。
昨日の父親の話を聞く前と全く同じ感情だ。

「沙雪から…聞いたの?」
「うん。聞いた…」

僕は夏音の顔を見ずに答えた。