『アイシテル』を忘れない。



のそのそとベットから起き上がった僕は、顔を洗おうと、洗面所に向かった。

洗面所には、おそらく洗濯機がさっきまで回っていたのだろう。
洗剤が少しこぼれている。

「…直しとけよ…」

そう独り言を呟くと、僕は鏡を見た。

鏡に映っていたのは、無様に目が赤くはれた顔だった。

「うっわー…こんなに腫れてるし…」

僕は腫れた目を抑えようと、かなり冷たいけど、タオルを濡らして目に置く事にした。


現在、9時15分。

いくら夏音と言えど、やっぱり腫れた目を見せるのは恥ずかしい。

待ち合わせまで余裕はある。
駅には、15分はあれば余裕でつくから、11時45分に出る事にしても、十分だ。

30分まで目を冷やしておけば、大丈夫だろう。

そうして僕は冷たいタオルを持って再び自分の部屋へ戻った。

「…沙雪にメールしとくか。」


送信:沙雪
件名:
本文:

12時から、夏
音と会うけど、
沙雪も来る?

…5時ぐらいに
は沙雪と話がし
たい。


pi