長い1日が終わった。

沙雪は、あの後泣き崩れた。
いつのまにか、辺りは暗くなり始めて、沙雪のお母さんも帰ってきた。

僕は、沙雪のお母さんに気づかれないように、ご飯だけもらって帰ってきた。

僕が帰ろうとした時、父さんが言った。

「悠、電話番号、教えてくれるか…?」
「あぁ…」

そうして、父親と電話番号の交換をした後、沙雪に見送られながら1階に下りた。


「悠ちゃん…」
「…沙雪、愛してる。」
「…うん。悠ちゃん、愛してる…」
「お休み。」


沙雪と、そう言って別れた。

家に帰ると、我慢していた涙がこぼれた。
男なのに泣くなんて、ダサいと思う。
けど、けど。

沙雪への思いが、兄妹として、もう届かなくなってしまう気がした。


僕は、次の日が日曜なのをいいことに、朝まで泣いた。