「…どうして、俺達が兄妹になったか教えて?」
「悠ちゃん?」
「沙雪…、だって、俺達は知らなくちゃダメだ。」
「…わかった、教えて?お父さん…」
「あぁ…」


父親が29の時。
もう、僕の母親と結婚していた父は、母親とは別の女の人と、浮気をしていた。

気づいた時には、浮気相手の女の人の方が僕の母親より好きになってしまっていた…
そして、僕達が生まれた。

父親は、どっちも愛していた。けれど、やっぱり浮気相手の女の人…沙雪のお母さんの方を愛していた。

だけど父親は、僕が5歳になるまでは離婚をせずに僕を見守っていてくれた。

そして、5歳になってから数ヶ月たったある日、沙雪のお母さんと再婚した。

…僕と、母親を残して。

僕には、知らないうちに同い年に妹が居た。


「…そうだったんだ…」

なんだかスッと楽になった。
さっきまでの父親に対しての怒りも、少しずつ収まってきた。

「本当に、悪かったと思っている。」
「…悪かった、じゃないよ…」

沙雪が少しなきながら言った。
何時も人をあまり責めない沙雪が、父親に対して、怒っていた。

「……もう。やだよ…」