「久しぶりだな、悠…」
「うん…。」
「元気してたか?」
「まあまあ…」
父親は久しぶりの再会に、少し喜んでくれているみたいだ。
…本当なら、僕も喜んでいたはずだった。
でも今は、喜べない…
「お父さん、」
「んー…?どうした、沙雪?」
「…父さん、…俺と沙雪は、兄妹なの?」
すると父親は苦しそうに眉間にしわを寄せた。
「本当に…お前達は付き合ってるのか?」
「はい…。」
「そうか…」
また、苦しそうに顔をゆがめると、静かに口を開いた。
「父さんが…悪かった。お前達は、兄妹だ。」
父さんが悪い訳じゃない。
父親だって、ただ純粋に恋をしただけ…
だけど、僕は、そんな事も吹っ飛んでしまっていた。
「ふざけんなよ!俺達は、ただ純粋に恋をして…」
「悠ちゃん!!」
「…悪かった。」
バツが悪そうに下を向いている父親をみて拳を握る。
「…意味、分かんねぇよ…なんで?やっと両思いになれたのに。」
「…悠ちゃん…。」
「…本当に、すまん。」


