沙雪と一緒にマンションのドアを開ける。

「5階だけど…エレベーターで行く?」
「ん。そうしよっか?」

そんな事を言いながら、エレベーターのボタンを押してエレベーターが来るのを待つ。
待ってる間な時間が少しだけ長く感じた。

だけど、今は早く着いてしまうより、少しでも長く…


「悠ちゃん、エレベーター、来たよ?」
「…うん。」


エレベーターの中で、僕達は手を繋いだ。

「悠ちゃん、大丈夫だよね?」

沙雪は祈るように言った。

「…うん。」

エレベーターが5階に着き、僕達はエレベーターから降りた。


「…ここだよ。」

沙雪は1つのドアの前で立ち止まった。
そして僕と目を見合わせてドアを開ける。


「ただいまー…」

僕と沙雪の、覚悟と一緒に。