《もしもし、悠ちゃん?》
「んー…?」
《悠ちゃんは、怖くないの?》


怖い。本当は、父親に会って、真実を聞くのが辛い。

「怖いよ…」
《…そっか、…じゃあ、また明日。》



昨日の夜、沙雪はこう聞いてきた。

本当に、怖かった。
だけど、僕は今日父親に会って、早く嘘だ、と言ってほしい。

…沙雪の家の前に着いた。

《もしもし?》
「あ、俺…。下、ついたよ?」
《え?嘘?あ、いたいた!》

pi

「…おはよ。」
「おはようっ!」

良かった。
怖いのは僕だけじゃないみたいだ。

「悠ちゃん…今日は、『彼氏』連れて来るって言ってるから…」
「うん。」
「悠ちゃん、」
「ん…?」
「わたしも一緒にいるからね。」

大丈夫。
沙雪と一緒になら。

僕は多分受け入れられる。