「沙雪…」
それから、僕は沙雪に伝えた。
「父親に会いたい。」
と。
「え…でも、悠ちゃん…」
「明日、沙雪の家に行きたい。」
「…うん。」
沙雪の家に、行って、父親と話がしたい。
沙雪と…血が本当に繋がっているのか、
僕らは、本当に兄妹なんだろうか…?
「悠ちゃん…ちょっといい?」
沙雪と僕が教室に戻ると、結構な時間がたっていて、もう放課後になっていた。
「ん…?」
「もし、悠ちゃんがわたしを嫌いになっても、わたしは悠ちゃんのこと大好きだから。」
「…うん。」
沙雪は何かを感じ取ってるのかもしれない。
僕の中のルービックキューブは、
『沙雪』って言う、真っ白な色にそろっていた。
だけど…
沙雪の話を聞いて、
僕のルービックキューブは白に、真っ白な色に、いろんな色が混ざっていった。


