「悠ちゃん、はい!」

沙雪は僕が戻ってきたあと、鞄の中から可愛らしい箱を出した。

「…え?」
「チョコ!悠ちゃんへの!本命、だからね?」

…まさかほんとに貰えると思っていなかった僕は嬉しかった。

「ありがとう。」
「どう致しまして!あ、ねぇ悠ちゃん?」
「ん…?」

僕が沙雪にこらえきれない笑みをこぼしながら尋ねると、沙雪は笑顔で言った。

「悠ちゃん…わたしを彼女にして下さい。」

そう言った沙雪を僕は思わず抱きしめた。

「悠…ちゃん?」
「喜んで…。」

僕は沙雪を、強く、強く抱きしめた。


夜…

夏音がチョコを持ってきてくれた。

「ありがとう!送ってく。」
「い、いいよっ!沙雪に悪いし…」
「気にしなくていいって。」

そう言って夏音を家まで送った。

夏音の家の前で、

「悠、それ、義理じゃなくて、本命だから。」

といわれた……。