「ううん!あ、後で伝えとくね!」
「おう!頼むー。んじゃ!」
「ばいばいっ!」

僕が沙雪と、夏音、そして那智に出会ったのは、
まだまだガキの、遊びたい盛りだった。

僕と那智は、中学が同じだった。
1年の時は、お互い名前すら知らなかったけど、2年の時に、同じクラスになり、それから意気投合して二人で行動するようになった。

ある日、那智と街に出かけたとき、僕達の間で人気が高かった、
『夕空女子』という、名門女子校の子と、仲良くなろうと言う話になって、
そのとき声をかけたのが、沙雪と、夏音だった。

それは、中学3年の夏だった。

それから、知らないうちに沙雪と那智が付き合って、僕と、夏音が失恋組になったのだ。


現在、高校2年。
僕達の関係は、何一つ変わってはいない。
僕の沙雪への思いが強くなった以外には。