沙雪side
「お姉ちゃん!」
「んー?」
わたしがブランコをこいでいると、小さな可愛い女の子が走ってきた。
「お姉ちゃん、あのお兄ちゃんからだよ?」
「わぁーありがと!」
「うん!お姉ちゃん、ちょっとだけお話しててもいい?」
「うん、いいよ?」
わたしはそう言いながら遠くにいる悠ちゃんをチラ、っと見た。
悠ちゃんもつかまってるのかな…?
まぁ、子供好きの悠ちゃんは喜んでるんだろうけど。
「あのね、お姉ちゃんはあのお兄ちゃんにチョコあげないの?」
「んー?あげるよ?」
「あのね、唯はね、お兄ちゃんにあげたんだ!」
「ん?あのお兄ちゃんに?」
「ううん!唯のお兄ちゃんに!」
「へぇー…」
なんだか、ちょっと可愛いかも。
わたしはこんな風に無邪気に笑えてるのかな?と、少し不安になる。
「唯ね、お兄ちゃんと結婚するんだ!」
女の子のそれだけの純粋な一言で、わたしの体は硬直した。
「え?」
「唯ね、お兄ちゃん大好きー!」
「そっ…か…」
わたしは少し笑って見せた。けど女の子が不思議そうな顔をしてるって事は、ちゃんと笑えていなかったんだと思う。


