「お兄ちゃんなんだ?」
「うん。」
「何歳なの?」

僕が沙雪のココアを取り出すと、女の子がココアを指差して言った。

「あのお姉ちゃんに渡すの?持ってってくるから、お姉ちゃんとお話してもいい?」
「ん、持ってってくれるの?いいよ?ありがとう。」
「うん!」

僕が女の子にココアを渡すと、女の子は走って沙雪に持っていった。

「…ぼくが6歳で唯が5歳!」
「唯ちゃんって言うの?」
「うん!ぼくが大輝!」
「へぇ―…仲良いんだね。」

僕がそう言うと、男の子はニッコリと笑った。

「うん!ぼく、唯大好き!」
「そっか…良いお兄ちゃんだな?」
「でしょ?いっつも唯を守ってあげてるんだよ?」
「えらいなー」

僕が男の子の頭をなでると、遠くから一人のお母さんが男の子と女の子を呼んでいた。

「大輝ー!唯ー!帰るわよー?」
「はぁーい!」

女の子は沙雪にバイバイ、と手を振って、こっちへ戻って来た。

「お兄ちゃん、ありがとう!バイバイ!」
「ん、バイバイ。」

2人が帰って行ったあと、僕は沙雪の所へ向かった。


「沙雪!」