そう言いながらも公園に着いた僕達。
海に行った日よりはもっと彼氏っぽく、彼女っぽくなってきていると思う。
沙雪は何時も座っているベンチには座らずに、今日はブランコに座った。
「やっぱ乗ってんじゃん。」
「う、うるさい!いいの!」
「…ちょっと待ってて?なんか買ってくるから。」
「はぁーい。」
沙雪は笑顔で僕をブランコに乗りながら見送る。
結構今日は寒いから、ホットドリンクを買って持ってってあげよう、と思って、自販機の前まできた。
すると、可愛い小さな子男の子と女の子が僕に手を振ってきた。
僕が小さく手を振ると、男の子と女の子は僕の方に駆けてきた。
「お兄ちゃん、何してるの?」
男の子が僕に話し掛ける。
「ん?俺はね?あそこのブランコのお姉ちゃんと、デート、してるんだよ?」
「ふぅーん…」
しまった。
こんな小さい子に、デート、とか言ってしまってよかったのだろうか。
「お兄ちゃん、チョコもらった?」
次は女の子が聞いてきた。
よく見れば、この子達の顔はそっくりだ。
兄妹なのだろうか?
僕は女の子の質問に答えながら自販機のボタンを押した。
「もらったよー…。まだ、あのお姉ちゃんからは貰えてないけどね、」
「へぇー…あのね、わたしはね、お兄ちゃんにあげたんだ!」
そう言って女の子は男の子に抱きついた。
すると男の子は少し照れくさそうに頭を掻いた。


